ゴルフ業界 市場規模の読み方|世界の参加人口・用品・ゴルフ場を最新データで整理
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「ゴルフ業界 市場規模」という問いに、世界共通の単一総額で答えることはできません。ゴルフ市場は参加人口、用品、ゴルフ場、旅行・周辺サービスに分け、対象地域・基準年・価格段階をそろえて読みます。2024年の全形式参加1億800万人、国内用品2933億3000万円、2024年度の国内ゴルフ場8100億円は、人数・メーカー売上・事業者売上という別の指標です。
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はじめに
ゴルフ市場の数字は、大きな総額を探すより、転職、新規事業、営業提案、施設運営などの目的に合う指標を選んでこそ役立ちます。参加者数と売上高、実績と予測、メーカー段階と小売段階は、同じ検索結果に並んでいても比較条件が違います。
利用者が増えなくても料金改定でゴルフ場売上は増えます。ゴルフを始める人が増えても、クラブを買い替えるまで時間がかかれば用品売上はすぐには増えません。日本全体の需給は日本のゴルフ産業の現在地、事業領域はゴルフビジネスと業界動向で確認できます。
ゴルフ市場とは|市場規模を4つに分ける
ゴルフ市場とは、ゴルフ産業を参加、用品、施設、旅行・周辺サービスのどこまで含めるか定め、一定期間の人数や金額を集計したものです。ゴルフツーリズムまで含める調査と、クラブやボールだけを扱う調査では、同じ市場名でも総額が変わります。
- 参加:コース、練習場、シミュレーターなどの実人数や参加形式です。顧客母数を示しますが、売上金額ではありません。
- 用品:クラブ、ボール、シューズ、ウェア、キャディバッグなどです。メーカー売上と小売金額を分けます。
- 施設:ゴルフ場やゴルフ練習場のプレー、飲食、会員、レッスンなどの事業者売上です。
- 旅行・周辺サービス:交通、宿泊、予約、指導、ソフトウェアを扱います。観光施策では来訪者支出と経済波及倍率を区別します。
ゴルフツーリズムの経済効果は、ゴルフ場の直接売上より広い概念です。宿泊や交通の支出に地域内の波及を加える場合があり、用品や施設売上とそのまま足すと重複しかねません。「顧客母数、用品販売、施設売上、地域効果のどれを知りたいか」を先に決めます。
数字をそのまま足せない理由
市場規模を合算できるのは、地域、期間、対象範囲、価格段階がそろい、重複を除ける場合だけです。主要な公開値を並べると、違いが明確になります。
| 指標 | 年・期間 | 公開値 | 単位・価格段階 |
|---|---|---|---|
| R&A加盟市場・全形式参加 | 2024年 | 1億800万人 | 成人+ジュニアの実人数 |
| R&A加盟市場・コース参加 | 2024年 | 4330万人 | 9・18ホールの実人数 |
| 日本・ゴルフ用品 | 2024年 | 2933億3000万円 | 国内メーカー売上高 |
| アジア・ゴルフ用品 | 2024年見込 | 8381億1000万円 | 円換算した小売金額 |
| 日本・ゴルフ場 | 2024年度 | 8100億円 | 事業者売上高 |
国内用品2933億3000万円はメーカーの国内純売上、アジア用品8381億1000万円は対象国の小売金額です。地域だけでなく価格段階も違うため、両者から日本の市場シェアを計算できません。ゴルフ場8100億円との合算も、施設内販売などの重複・欠落を調整しない限り正式な国内総額にはなりません。
実人数は同じ人を期間内に一度だけ数え、延べ利用者数は複数回来場を重ねます。参加者が横ばいでも、一人当たりのラウンド回数や料金が増えれば施設売上は伸びます。人数、利用量、単価を別列にすることが基本です。
世界の需要を見る|参加人口は売上ではない
ゴルフ参加人口の定義とゴルフ人口をそろえると、ゴルフ市場の需要側を比較できます。女性のゴルフ参加などの属性別内訳も重要です。統括団体のR&Aは加盟市場のコース参加とコース外形式を分けています。
2024年の全形式参加は成人・ジュニア計1億800万人で、2023年から約300万人増えました。内訳は成人6410万人、ジュニア4390万人です。9・18ホールのコース参加は4330万人で、2023年の4270万人から60万人増でした。全形式はコース参加の約2.5倍であり、同じ数字として扱えません。
ジュニアの80%は9・18ホール以外の形式で参加していました。練習場やシミュレーターは入口になりますが、コース来場や用品購入がまだ発生していない人も含みます。R&AのMark Darbon氏は「何らかの形式でゴルフをする人が1億人を超えたことは重要で、このスポーツの持続的な魅力を示しています」と述べています(原文英語)。
2023年のコース参加4270万人は2022年から310万人増え、2016年の2960万人から44%増でした。ただし対象は米国とメキシコを除くR&A加盟市場です。世界全体として引用してはいけません。
2024年の成人参加はアジア2620万人、欧州2030万人、カナダ690万人でした。主要9市場では女性が成人の全形式参加者の31%、コース参加者の25%を占め、コース外形式では50%です。カナダのコース参加者の37%、イングランドでは36%が先に代替形式を経験していました。入口、コース移行率、継続率を別々のゴルフ統計として追う必要があります。
日本・アジアのゴルフ用品市場
ゴルフ用品市場は、メーカー売上高と小売金額で意味が変わります。ゴルフクラブフィッティングが客単価を高めても販売数量は増えない場合があり、ゴルフ市場の金額だけでは活発さを測れません。
2024年の国内用品市場はメーカー売上高ベース2933億3000万円、前年比95.0%でした。2022年に3000億円を超えた後、2024年は3000億円を割りましたが、2019年比では110.6%です。前年では縮小、コロナ禍前比では高水準と、基準年で結論が反転します。
2025年予測は3093億5000万円、前年比105.5%です。ただしメーカー各社の売上高回答が最大の根拠で、調査側も「強めの見通し」としています。実績と同じ列には置けません。対象はドライバーなどのクラブ、ボール、シューズ、バッグ、ウェア、練習器具で、OEM請負、カスタムクラブ、海外向け売上、中古品は基本的に対象外です。
用品売上の周辺には、ウェッジなどカテゴリー別の買い替え、ゴルフシューズのフィッティング、ゴルフクラブ試打があります。中古流通のゴルフクラブ下取り査定は新品メーカー売上の対象外になり得るため、商流ごとに市場を分けます。
アジア用品の2024年見込はウェアを含む小売金額ベース8381億1000万円、前年比79.3%でした。対象は日本、韓国、中国、台湾、タイなどです。日本以外では精度の高い定量情報が不足するため、掲載値はレンジの中央値です。円換算なので為替も影響し、「需要が20.7%減った」と人数へ読み替えられません。
韓国では急成長後の在庫滞留と、小売現場からメーカーへの情報の遅れが指摘されています。2024年の国内用品調査もメーカー計画を「数量減、金額プラスないし横ばい」と表現しました。参加拡大と用品出荷の反動減は、在庫、買い替え周期、単価が別に動くため両立します。
日本のゴルフ場市場
ゴルフ場市場の事業者売上とゴルフ場延べ利用者数を分けると、ゴルフ市場の施設領域を正しく読めます。訪日ゴルフツーリズムは追い風ですが、帝国データバンクの調査には料金改定とコスト増も表れています。
2024年度(2024年4月〜2025年3月期決算)の国内ゴルフ場市場は8100億円でした。事業者売上高ベースで前年度7896億円を3.0%上回り、4年連続増です。8000億円超は2018年度の8042億円以来6年ぶりでした。
調査の見出しは「『ゴルフ人気』回復へ 市場4年連続増、6年ぶり8000億円台」でした(2024年度調査)。ただし、休眠客や訪日客の回復に加え、グリーンフィーの値上げも売上を押し上げています。売上3.0%増を来場者3.0%増とは言い換えられません。
増収企業は39.8%、赤字企業は24.7%でした。人手不足による賃上げ、派遣キャディの人件費、エネルギー費、資材価格が収益を圧迫しています。
コース管理とゴルフ場の水管理は、プレー品質を守る運営費です。エネルギー管理と廃棄物管理も固定費や更新計画に関わります。クラブハウス更新などの設備投資と会員権の預託金は、資金繰りへ影響します。事業価値評価まで見なければ、ゴルフ場経営の健全性は判断できません。
若年層を一度獲得するだけでなく、ゴルフコミュニティや初心者プランで継続来場へつなぐ必要があります。費用構造と再生の論点はゴルフ場経営の現状も参照してください。
成長を左右する5つの論点
インドアゴルフはコース外から市場へ入る接点ですが、施設数や体験者数をゴルフ場・用品・旅行の売上へ直結させず、入口から定着までを追います。
- コース移行:全形式1億800万人とコース参加4330万人の差は潜在需要ですが、コースへ移らない参加者もいます。ゴルフ体験レッスンからコースデビューまでの転換率を測ります。
- 継続の摩擦:移動、同伴者、用具費、予約が継続を妨げます。ゴルフ場予約やクラブレンタルは入口を軽くします。ゴルフスクール、一人予約、ゴルフ仲間づくりは、それぞれ技術・同伴者・継続の障壁へ対応します。
- 数量と単価:用品は数量減でも値上げで金額を維持し、ゴルフ場も来場横ばいで売上が増え得ます。数量、単価、商品構成を分解します。
- 旅行消費:ゴルフ旅行は宿泊・交通へ支出を広げますが、直接支出と波及効果を分けます。旅行予算にはプレー以外も含まれ、ゴルフ場送迎やゴルフバッグ輸送は周辺サービス売上です。ゴルフツーリズムの経済効果で範囲を確認してください。
- 技術投資:ゴルフスタートアップやゴルフ記録アプリは、利用者数だけでなく継続課金、施設稼働、送客を評価します。
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ただし、世界の参加人口増だけを強気材料にする見方には注意が必要です。 用品在庫、施設の人件費、会員高齢化、コース外からの移行率は独立して動きます。すべての部分市場が同時に伸びるとは限りません。国内の施設動向はインドアゴルフ施設の増加も参考になります。
市場予測を読む手順
基準年、対象範囲、成長要因、実績区分を確認してからゴルフ市場の予測を採用します。日本生産性本部の需給資料と用品・施設の個別調査を組み合わせれば、一つの予測へ依存せずに済みます。
CAGRは始点から終点までを年率換算した平均成長率で、毎年同じ率で伸びる保証ではありません。始点が一時的に低いと高く見え、円換算の世界市場は現地数量が同じでも為替で動きます。
2023年の余暇関連市場は71兆2140億円、前年比13.4%増でしたが、2019年比98.5%でした。スポーツ部門は前年比3.6%増で、ゴルフ場は堅調、ゴルフ練習場は反動減です。大分類が伸びても内部領域は同じ方向へ動きません。
flowchart TD
A[判断目的を決める] --> B{何を測るか}
B -->|顧客母数| C[実人数と参加形式]
B -->|用品事業| D[メーカー売上か小売金額]
B -->|施設運営| E[事業者売上と延べ利用]
B -->|地域施策| F[直接支出と波及効果]
C --> G[地域・年・価格段階を確認]
D --> G
E --> G
F --> G
G --> H[実績・見込・予測を区別]
判断目的から指標を選び、比較条件と実績区分を確認する流れです。
市場調査は「2025年発表、2024年実績」のように発表年と対象年が異なります。タイトルの年だけを転記せず、本文で最新実績年を確認します。予測には数量、単価、為替、在庫、料金改定の前提も添えます。
用途別|採用すべき指標
用途に最も近い指標を主指標にし、別の数字を補助線として添える方法が実務的です。定義の違う総額を平均したり、足したりする必要はありません。
| 目的 | 主指標 | 補助指標 | 避ける読み方 |
|---|---|---|---|
| 業界への転職 | 企業・領域別売上、利益、人員 | 参加人口 | 世界総額で国内雇用を判断 |
| 用品の新規事業 | メーカー売上か小売金額 | 数量、単価、在庫 | 参加増を即時売上とみなす |
| ゴルフ場への提案 | 事業者売上、延べ利用、客単価 | 実人数、再来場率 | 売上増を来場増とみなす |
| インドア施設 | 会員数、継続率、打席稼働 | コース移行率 | 施設数だけで判断 |
| 観光施策 | 直接支出、宿泊数、滞在日数 | 経済波及効果 | 波及効果と直接売上を合算 |
| 投資・事業計画 | 実績と感応度分析 | 予測、CAGR | 予測を確定値とみなす |
覚える判断基準は3つです。
- 誰を数えたか:成人、ジュニア、コース参加、全形式参加、実人数、延べ利用を明記します。
- 何の金額か:メーカー売上、小売金額、事業者売上、直接支出、経済波及効果を区別します。
- どの時点か:暦年か年度か、実績・見込・予測のどれかを書きます。
企画書では「2024年・国内・メーカー売上高ベース・実績」のように定義を一行で添えます。最も大きい数字ではなく、意思決定に最も近い数字を選んでください。
関連記事
出典
- 帝国データバンク「ゴルフ場業界」動向調査(2024年度) — 2025-12-01 — 国内ゴルフ場の事業者売上、損益、成長要因
- 矢野経済研究所「ゴルフ用品市場に関する調査(2025年)」 — 2025-10-10 — 2024年実績、2019年比、2025年予測
- 矢野経済研究所「アジアゴルフ用品市場に関する調査(2025年)」 — 2025-12-22 — 2024年見込、対象国、小売金額の定義
- 日本生産性本部「レジャー白書2024」 — 2024-10-29 — 2023年の余暇市場とスポーツ部門
- R&A「Over 100 million golfers in R&A markets」 — 2025-07-14 — 地域別・女性比率・コース移行経路
[en] - R&A「Golf participation continues to enjoy growth globally」 — 2024-09-25 — 2023年のコース参加者と2016年からの増加
[en] - Sporting Insights「The R&A reports sustained growth in global golf participation」 — 2025-07-17 — 2024年の成人・ジュニア・形式別参加
[en] - 矢野経済研究所「ゴルフ用品市場に関する調査(2024年)」 — 2024-09-27 — 数量と金額の関係
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