業界動向

ファイブエイトゴルフクラブから考えるゴルフとSDGsの取り組み

ファイブエイトゴルフクラブは現在営業していない閉鎖済みのゴルフ場ですが、A重油ボイラーを木質バイオマスへ替え、高効率空調と合わせて年間146t-CO2を削減した過去事例です。予約先ではなく、設備の対象範囲と実績値が結び付いたケースとして読むと、現役ゴルフ場のSDGsを評価する基準になります。

緑地とクラブハウスが広がるゴルフ場で環境対策を確認する様子 Photo by 女子 正真 on Pexels

目次

  • ファイブエイトゴルフクラブの現在と来歴
  • 年間146t-CO2削減の対象設備
  • ゴルフとSDGsを評価する4領域
  • 国内事例とR&Aの研究枠組み
  • 現役ゴルフ場を見分ける5つの判断軸
  • 予約前・当日・プレー後の選択ルール

はじめに

サステナブルゴルフは、ゴルフを長く続けるため、水、エネルギー、資材、廃棄物、生物多様性への影響を測って改善する考え方です。ファイブエイトゴルフクラブでは、閉鎖記録と環境設備の実績を分けて読みます。

ゴルフビジネスと業界動向で扱う事業KPIと、CO2や水使用量を追う環境KPIは別の指標です。事業側ではゴルフ場市場の売上・費用と延べ利用者数を区別するため、環境成果だけで運営継続まで証明することはできません。

ファイブエイトゴルフクラブとは:現在は閉鎖済みの過去事例

ファイブエイトゴルフクラブは栃木県矢板市にあった閉鎖済みのゴルフ場で、現在は予約できません。閉鎖前のコース来歴には、1988年開場、加藤俊輔設計、旧名はサイプレスカントリークラブとあります。閉鎖直前にも日本ゴルフツアー機構(JGTO)のセカンドQTが行われ、プロゴルフツアーの出場資格に関わる競技の会場として使われていました。

閉鎖は営業継続の事実であり、設備によるCO2削減とは別に検証します。ゴルフ場経営の現状で扱う収益や集客まで、環境実績から推定することはできません。

ファイブエイトゴルフクラブの146t-CO2削減は何を測ったか

J-クレジット制度は、省エネや再生可能エネルギーなどによる温室効果ガスの削減量・吸収量を認証する制度です。公式事例では、A重油ボイラーをバイオマスボイラーへ替え、間伐材を熱源に利用しました。人感センサー付き高効率エアコンと既存の太陽光発電も組み合わせています。

J-クレジット制度の公式ケースが記録する削減量は年間146t-CO2です。価値は数字の大きさではなく、旧設備、新設備、空調制御という対象範囲が示されている点にあります。

ゴルフ場のエネルギー管理では、熱、電力、車両、創エネを分けます。146tは施設固有値なので、他施設とは同じ設備範囲と期間で比較します。需要側の背景は日本のゴルフ人口と業界動向でも確認できます。

ゴルフとSDGsの取り組みを4領域で考えて評価する

サステナブルゴルフを評価する対象は、クラブハウスの省エネだけではありません。ゴルフ場は、コース、建物、厨房、浴室、車両、調達、廃棄を同時に運営するため、水・エネルギー・資材と廃棄物・生物多様性の4領域で分けると抜けを見つけやすくなります。

領域主な対象確認する指標誤読しやすい点
散水、浴室、厨房、排水用途別使用量、漏水、再利用、水質節水器具の導入だけで全体削減とみなす
エネルギーボイラー、空調、照明、車両燃料、電力、発電量、t-CO2クラブハウスだけを施設全体とみなす
資材・廃棄物プラ、食品、刈草、間伐材購入量、廃棄量、再利用量一品目の代替を全体成果に広げる
生物多様性芝、池、樹林、生息種、農薬調査範囲、種、薬剤、水質、更新年緑の写真を生態系の証明とみなす

ゴルフ場の水管理では、散水、浴室、厨房、漏水、排水、水質を用途別に追います。節水器具だけでなく、導入前後の使用量が比較に必要です。

ゴルフ場の廃棄物管理は、使い捨て品、食品、刈草、間伐材、交換設備を購入から廃棄まで追います。間伐材の熱源利用では、調達、保管、灰処理、保守も確認します。

生物多様性は、種、遺伝子、生態系の多様さとつながりを示します。池、樹林、ラフ、芝地の調査範囲と管理後の推移を確認し、緑の写真だけで改善と判断しません。

国内ゴルフ場のSDGsは設備・資材・運用で読む

ゴルフ場管理の施策は、導入設備と継続運用を分けて読みます。PGMは施設ページからSDGs案内へ誘導し、太平洋クラブはLED、EV、節水機器、使い捨て資材の廃止、環境配慮型農薬、乗用カートの電動化などを公開しています。

資材は循環型経済の観点から、削減、再使用、再資源化を確認します。2020年秋には日本ゴルフサミット会議が廃プラ削減を呼びかけました(GEW掲載記事)。施策数だけでなく、対象コース、基準年、使用量、更新日があれば年次比較ができます。

R&AのGolf Course 2030が重視する測定と研究

R&AのGolf Course 2030は、気候変動と資源制約に備える研究枠組みです。国際研究プログラムは3年周期で、気候行動、芝管理、廃棄物と汚染、生物多様性、教育と技能を扱います。

コース管理では、水不足、農薬、排水、機械、燃料、作業技能を一つの運用として測ります。個別施設の成功談も、ベースラインと対象範囲をそろえて初めて比較できます。

ファイブエイトゴルフクラブから現役ゴルフ場へ移せる判断軸

ゴルフ場の設備投資は、ファイブエイトゴルフクラブの146tだけを切り取らず、基準年、対象範囲、実績値、第三者性、更新日の5軸で評価します。

  • 基準年・旧設備:何年またはどの設備と比べたかを確認します。
  • 対象範囲:コース、建物、車両、調達のどこまで含むかを確認します。
  • 実績値と単位:t-CO2、水使用量、廃棄量など、成果の単位を確認します。
  • 第三者性:制度や認証が何を、どの期間に確認したかを読みます。
  • 更新日:実績期間、公開日、次の目標が継続更新されているかを見ます。

この順序なら、営業中の施設と過去事例を区別できます。

flowchart TD
  A[営業状況を確認] --> B{現在営業中か}
  B -- いいえ --> C[過去事例として読む]
  B -- はい --> D[対象範囲を確認]
  C --> D
  D --> E[基準設備を確認]
  E --> F[実績値と単位を確認]
  F --> G[第三者性と更新日を確認]

営業状況と環境実績を分け、最後に公開情報の継続性を確認する流れです。

この事例は、閉鎖、ボイラーと空調、旧設備、年間146t-CO2、J-クレジット制度と整理できます。水、生物多様性、全廃棄物、収益まで146tが保証するわけではありません。

ゴルフ場経営では、環境KPIを事業継続の唯一の証拠にしないことが重要です。

予約前・当日・プレー後に使う3段階の選択ルール

ファイブエイトゴルフクラブの教訓は、公開情報と観察できる事実で現役コースを選ぶことです。

予約前は、公式ページで対象施設、基準年、実績値、更新日を確認します。当日は、受付や掲示で分別、給水、乗用カート操作、立入制限など施設の案内を確認し、コース保護として芝の修復も行います。プレー後は、実績公開や分別表示など確認できた事実を口コミに残します。

ファイブエイトゴルフクラブは閉鎖済みの過去事例で、年間146t-CO2はボイラーと空調を中心とする施設固有値です。現役ゴルフ場は5軸で評価します。

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出典

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