コースマネジメント

打ち上げと打ち下ろしで番手を選ぶ方法|高低差と着地点から考える攻略手順

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ゴルフで打ち上げ・打ち下ろしの番手を選ぶ方法は、高低差の番手選択を「距離の足し引き」だけで終わらせず、安全な着地点、平地のキャリー、高低差、落下角とラン、風・ライの順に決めることです。打ち上げは必要なキャリーを確保し、打ち下ろしは手前へ落として増えるランを受け止められる番手を選びます。

高低差のあるゴルフコースでグリーンを狙ってアイアンショットを打つ場面 Photo by Kampus Production on Pexels

はじめに

鳥海博文プロの検証では、打ち下ろしより打ち上げのほうが高低差の影響は大きいとされます。固定の「1番手」ではなく、判断の順序を決めることが重要です。

高低差の番手選択は距離補正より着地点を先に決める

高低差の番手選択では、番手選択の前に着弾区域を決めます。パッティンググリーンのピンだけを見るのではなく、手前、中央、奥のうち、通常のミスを含めても危険が少ない区域を選ぶのが出発点です。

打ち上げではグリーン前縁を越えるキャリーを下限とし、打ち下ろしでは増えるランを見込んでピンより手前を着地点にします。

この順序は、グリーン手前と奥の距離を使い分ける方法と同じです。ピンまでの一点ではなく「最低限越えたい手前」と「越えてはいけない奥」を先に置けば、打ち上げはショート、打ち下ろしはオーバーという典型的な失敗を別々に防げます。

番手を決める前に確認する5項目

高低差の番手選択では、グリーン前後距離、平地キャリー、高低差、落下角とラン、風・ライの5項目を確認します。

  1. グリーン前後距離 — グリーン前後距離から、越えるべき手前と避けるべき奥を確認します。
  2. 平地キャリー — キャリー距離はベストではなく、普段再現できる値を使います。
  3. 高低差 — 打ち上げは加算、打ち下ろしは減算して実質距離を作ります。
  4. 落下角とラン — 長い番手ほど落下角が浅くなりやすく、打ち下ろしでは前へ進む幅を大きめに見ます。
  5. 風とライ — 高低差の計算が終わってから、向かい風・追い風、左足上がり・左足下がりを別枠で補正します。

競技では、2019年施行のR&A規則4.3aにより距離情報は取得できますが、高低差の計測は認められません。日本ゴルフ協会によるとR&AとUSGAが共同で規則を制定・解釈しています。ローカルルールを確認し、レーザー距離計のスロープ機能をオフにします。

手順

flowchart TD
  A[安全な着地点を決める] --> B[平地キャリーを置く]
  B --> C[高低差を加減する]
  C --> D[落下角とランを確認]
  D --> E[風とライを別枠で補正]
  E --> F{手前に届き奥を越えないか}
  F -->|はい| G[番手を確定]
  F -->|いいえ| A

高低差の番手選択は、距離表示からではなく安全な着地点から逆算します。

ステップ1: 安全な着地点を決める

着地点は、グリーンの手前・中央・奥のどこへ最初に落とすかという基準です。打ち上げでは前縁を確実に越える中央寄り、打ち下ろしではランを受け止められる手前寄りを基本にします。

よくある失敗は、ピンが奥なら無条件で奥までの距離を打つことです。奥にバンカーやOBがあるなら、成功は「ピンへ届いたか」ではなく「通常のばらつきが危険を越えない区域へ落ちたか」で判定します。

ステップ2: 平地で再現できるキャリーを置く

平地キャリーはベストショットではなく、直近の複数球の中心値を使い、「番手・狙い・実際の着地点」をスコアカードへ残します。

ステップ3: 高低差を実質距離へ加減する

高低差は、打ち上げなら平地キャリーへ加え、打ち下ろしなら差し引く初期補正です。hm-golfの計算例では、140ヤードで10ヤード打ち上げなら150ヤード、同じ140ヤードで10ヤード打ち下ろしなら130ヤード相当として番手を選びます。

ただし、これは仮決定です。CaddieHQの別例では、175ヤードのパー3で45フィート下りを15ヤードと換算し、160ヤード用のクラブ(7番アイアン RakutenAmazonYahoo!)を選んでいます。上りでは140ヤードに30フィート、すなわち10ヤードを加え、150ヤード用の番手を選ぶ例があります。数字が番手間の中間に来たら、打ち上げは長い側、打ち下ろしは奥の危険を越えない側へ寄せます。

ステップ4: 落下角とランで仮の番手を調整する

落下角はボールが地面へ入る角度で、打ち出し角とは別の指標です。長い番手は弾道が低く、落下角が浅くなりやすいため、同じ高低差でも短い番手より影響を大きく受けます。

ゴルフダイジェスト社の検証では、同じ10ヤードの打ち下ろしでもPWはマイナス5ヤード、6番アイアンはマイナス10ヤード、10ヤードの打ち上げではPWがプラス10ヤード、6番アイアンがプラス15ヤードの目安です。PWと6番アイアンで高低差の影響に約5ヤード差が出るため、「10ヤードなら常に1番手」という固定ルールをここで修正します。

ステップ5: 風とライを別枠で補正して決める

風とライは、高低差と落下後の挙動を決めた後に足します。向かい風と左足上がりが重なる打ち上げでは、キャリー不足が増えやすいため長い番手を検討します。一方、追い風と硬い下りグリーンが重なる場面では、実質距離だけで短い番手を選んでもランが奥へ出る可能性があります。

打ち上げと打ち下ろしの補正早見表

高低差の番手選択では、短い番手と長い番手で補正幅を変えます。特に打ち上げは打ち下ろしより影響が大きく、長い番手ほどキャリー不足を大きめに見積もる必要があります。

状況短い番手の目安長い番手の目安着地点主な失敗
10ヤード打ち上げ1〜1.5番手上2番手上も検討中央までキャリー手前斜面へショート
20ヤード打ち上げ2〜3番手上3〜4番手上も検討前縁を確実に越える無理に高く打って飛距離減
10ヤード打ち下ろし0.5〜1番手下1番手下を基準グリーン手前ランで奥へオーバー
20ヤード打ち下ろし1番手下を起点1〜2番手下手前から中央距離を引きすぎてショート
左足上がりの打ち上げ高低差にライ補正を追加長い番手を優先中央ロフトが寝てキャリー不足

5度の左足上がりでは、ロフトが寝るため1番手上げる例があります。高低差とライは分けて補正します。

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風とライは高低差の後に補正する

向かい風追い風は、高低差の補正を終えた後に扱います。高低差の番手選択では、まず無風・平らなライを仮定した実質距離を作り、風向き、風の強さ、足元の傾斜を順に重ねます。

ライも左右対称ではありません。ゴルフダイジェスト社の検証では、左足上がりの打ち上げで高低差とライの補正を合わせると2番手上げる例が示されています。一方、左足下がりではロフトが立って距離が伸びる要素と、振り幅が小さくなって距離が落ちる要素が相殺し、平らなライと同じ計算を起点にする考えが示されています。

高低差の番手選択で起きやすい失敗

  • 打ち上げですくう — 番手で高さと距離を補い、通常のスイングを保ちます。
  • 打ち下ろしで目線を下げる — 目線と肩のラインを必要以上に傾けません。
  • 距離表示で即決する — 先にグリーン手前・中央・奥の安全度を確認します。
  • 一律1番手で補正する — PWと6番アイアンの約5ヤード差を踏まえ、補正幅を分けます。
  • 理由を残さない — スコアカードへ「平地距離/高低差/番手/着地点/結果」を残します。

高低差1ヤードにつき距離も1ヤード補正する方法は、便利な初期値ですが最終回答ではありません。Free Golf Simulatorは3フィートの高低差を1ヤードに換算し、160ヤード・18フィート上りを166ヤード、150ヤード・21フィート下りを143ヤードとする例を示しています。しかし、別資料ではウェッジの下り補正を小さく見る例があり、上りと下りも対称ではありません。

プレショットルーティンでは「着地点、平地キャリー、高低差、ラン、風・ライ」の順を固定します。

次のラウンドで使う判断ルール

高低差の番手選択の最終ルールは、選んだ番手の通常キャリーが安全な着地点まで届き、想定ランを含めても奥の危険側に余白を残せるかです。両方を満たさない場合は、ピンを狙う前提を捨て、グリーン中央か次打を打ちやすい区域へ切り替えます。

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Sources

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