アイアンでドロー・フェードを打ち分ける
アイアンショットで自由自在に球筋をコントロールできれば、ピン位置や風向き、障害物に応じた戦略的なプレーが可能になります。この記事では、ドローとフェードの打ち分け方法を科学的データとプロの技術を交えて詳しく解説します。
ドローとフェードの基本理解

ドローとフェードは、ゴルフにおける基本的な球筋コントロール技術です。右利きのゴルファーの場合、ドローは右から左へ曲がる球筋で、フェードは左から右へ曲がる球筋を指します。
MyGolfSpyラボの研究によると、同じクラブスピード100MPHの条件下で、ドローは224ヤード飛び、フェードは222ヤードとわずかな差しかありません。しかし総距離で見ると、ドローが258ヤードに対してフェードは249ヤードと、ドローの方が約9ヤード長くなる傾向があります。
クラブによって曲がり幅も異なります。8番アイアンでのドローは約8ヤード曲がりますが、ドライバーでは1-15ヤードと大きく曲がります。これは、クラブが短くロフトが大きいほど、スピン量が増えてバックスピンが優勢になり、サイドスピンの影響が少なくなるためです。
アイアンショットの基本については、アイアンショット完全ガイドで詳しく解説しています。まずは基本的な打ち方をマスターしてから、球筋のコントロールに挑戦することをおすすめします。
ドローボールの打ち方
ドローボールを打つための基本原理は、インサイドアウトのスイング軌道とフェースコントロールにあります。目標より右にスイング軌道を作り、フェースは目標に対して開いているが軌道に対しては閉じている状態を作ることが重要です。
ボール位置によるドローの打ち方
香妻陣一朗プロが推奨する方法は、ボール位置の調整です。ドローを打つ場合は、通常のボール位置よりも右足寄りに置きます。これにより、インパクト時のフェースがまだ閉じきっていない状態でボールを捉えることができ、自然とドロー回転がかかります。
具体的には、通常のボール位置から1-2個分(約5-10cm)右足寄りに配置します。この調整により、スイング軌道は変えずに、インパクトのタイミングを早めることでドロー回転を生み出せます。
フェース開閉によるドローの打ち方
もう一つの方法は、フェースの開閉量を大きくする打ち方です。ドローを打つ際は、バックスイングでフェースを大きく開き、ダウンスイングで積極的に閉じていく「横のイメージ」を持ちます。
この方法では、手首のローテーションを使って、インパクトゾーンでフェースを能動的に回転させます。ただし、タイミングが難しいため、練習場で十分に練習してから実戦に臨むことが大切です。
スイングの基本動作については、ゴルフスイング完全マスターで体系的に学ぶことができます。
フェードボールの打ち方

フェードボールは、アウトサイドインのスイング軌道とフェースコントロールによって実現します。目標より左にスイング軌道を作り、フェースは目標に対して閉じているが軌道に対しては開いている状態を作ります。
ボール位置によるフェードの打ち方
フェードを打つ場合は、ボール位置を通常よりも左足寄りに置きます。これにより、インパクト時のフェースがすでに開き始めている段階でボールを捉え、フェード回転を生み出せます。
通常のボール位置から1-2個分(約5-10cm)左足寄りに配置するのが目安です。ただし、8番アイアンでフェードを打つと、実際には9番アイアンの弾道と距離になるため、番手選択に注意が必要です。風に強い低めの弾道を打ちたい場合は、1番手上げて軽く打つことで、適切な距離をカバーできます。
フェース開閉を抑えたフェードの打ち方
フェードを打つ際は、フェースの開閉量を抑えて「縦のイメージ」で打ちます。バックスイングでもダウンスイングでも、フェースの向きをできるだけ一定に保ちながら、縦の動きでボールを捉えます。
この方法では、手首の余計な動きを抑え、体の回転主体でスイングします。フェースが開いたままインパクトを迎えるため、自然とフェード回転がかかります。再現性が高く、コントロールしやすいのがこの打ち方の利点です。
ローポイントコントロールによる打ち分け
上級者向けの技術として、ローポイントコントロール(最下点の位置調整)があります。この方法では、スイング自体を変えずに、クラブヘッドの最下点をボールに対してどこに配置するかで球筋を打ち分けます。
ドローのためのローポイント設定
ドローを打つ場合は、ローポイントをボールの後方(右側)に設定します。これにより、クラブパスは自然とインサイドアウトになり、アタック角も浅くなります。ボールはまだ上昇軌道にあるクラブヘッドで捉えられ、ドロー回転がかかります。
実践方法としては、素振りの段階で、ボールの右側でターフを取るイメージを持ちます。本番のスイングでも、このローポイントを再現することで、安定したドローボールが打てるようになります。
フェードのためのローポイント設定
フェードを打つ場合は、ローポイントをボールの前方(左側)に設定します。これにより、クラブパスはアウトサイドインになり、アタック角も急になります。ボールは下降軌道にあるクラブヘッドで捉えられ、フェード回転がかかります。
練習では、ボールの左側でターフを取る素振りを繰り返します。この感覚を身につけることで、意識的にスイング軌道を変えなくても、自然とフェードが打てるようになります。
戦略的なコース攻略については、コースマネジメント戦略で詳しく解説しています。










