グリーン周りのライ別打ち方
グリーン周りでのアプローチは、スコアメイクの核心部分です。同じ距離でも、ボールのライ(置かれた状況)によって打ち方を変える必要があります。この記事では、様々なライから確実にグリーンに乗せるための技術を詳しく解説します。
グリーン周りのライとは何か

グリーン周りのライとは、ボールがどのような場所に、どのような状態で止まっているかを指します。フェアウェイの花道、深いラフ、バンカー、傾斜地など、状況は多岐にわたります。
プロのバンカーからのセーブ率は80-90%に達する一方、アマチュアは60-70%程度です。この差は、ライに応じた適切な打ち方を選択できるかどうかで生まれます。
グリーン周りのアプローチを攻略するには、まず自分のボールがどのようなライにあるかを正確に見極めることが重要です。そして、そのライに最適な打ち方とクラブ選択をすることで、ミスを減らし、確実にピンに寄せることができます。
ウェッジショット完全マスターで基本的なアプローチの打ち方を学んだ上で、このライ別の技術を身につけることで、グリーン周りでの成功率は大きく向上します。
打ち方の基本:タップ式とストローク式
グリーン周りのアプローチには、タップ式とストローク式の2種類の打ち方があります。ライの状況に応じて使い分けることで、ミスを減らし、安定したアプローチが可能になります。
タップ式(ラフ向け)
ラフにボールがある場合、芝がクラブヘッドに絡みやすいため、タップ式で打つほうが安全です。
タップ式の打ち方:
タップ式は、ボールをしっかりと上げて、芝の抵抗に負けずにインパクトできる打ち方です。ダウンスイングで急角度に振り下ろし、ボールの下に鋭くクラブを入れるイメージで打ちます。
ストローク式(花道・セミラフ向け)
花道やセミラフなど、比較的ボールが浮いている状態では、ストローク式が適しています。
ストローク式の打ち方:
- ピッチングウェッジ(PW)またはアプローチウェッジ(AW)を使用
- スクウェアスタンスで構える
- ハンドファースト(手元がボールより前)
- ボールは中央やや右寄り
- コックはほとんど使わない
- フェースを返す(閉じる)打ち方
ストローク式は、パターのようにスムーズにストロークする打ち方で、ボールを転がして寄せるのに適しています。振り幅で距離を調整し、安定したインパクトを重視します。
傾斜別の打ち方

グリーン周りでは、平らな場所だけでなく、様々な傾斜からアプローチする場面が多くあります。傾斜によってボールの飛び方が変わるため、それぞれに適した打ち方を習得することが重要です。
左足下がりのライ
左足下がりの傾斜は、アマチュアゴルファーにとって最も難しいライの一つです。ボールが低く出て転がりやすいという特徴があります。
打ち方のポイント:
- 体重はしっかり左足に乗せる
- ボールの位置はやや右寄りにセット
- サンドウェッジやアプローチウェッジを選ぶ(高さが自然に出やすい)
- 無理に上げようとしない
- 傾斜なりにスイング(体を傾斜に合わせる)
左足下がりでは、インパクトでロフトが立ってしまうため、クラブのロフトを信じて、傾斜に沿ってスイングすることが大切です。無理に上げようとすると、ダフリやトップのミスにつながります。
左足上がりのライ
左足上がりの傾斜は、スイング中やインパクト時に右足に体重が残りやすく、打ち出し角度が高くなりやすいという特徴があります。
打ち方のポイント:
- 転がるボールを選択する場合はロフトの立ったPWや9番アイアンを使用
- 左足に体重をかけて傾斜に逆らうアドレス
- または、傾斜なりに構えて高く上げる選択もあり
- フォローを大きく取る意識
- 体重が右に残らないように注意
左足上がりからは、ボールが高く上がりやすいため、番手を下げる(ロフトの立ったクラブを選ぶ)ことで、適切な飛距離を出すことができます。
つま先上がり・つま先下がりのライ
つま先上がりのライでは、ボールが左に飛びやすく、つま先下がりのライでは右に飛びやすくなります。
つま先上がりの打ち方:
つま先下がりの打ち方:
- 膝を深く曲げて構える
- 目標よりやや左を狙う
- バランス重視でコンパクトに振る
- フォローを低く抑える
ラフからのライ別打ち方
ラフの深さや芝の状態によって、打ち方を変える必要があります。
浮いているライ(セミラフ)
ボールが芝の上に浮いている状態では、クリーンにボールをヒットできるチャンスです。
打ち方:
- 9番アイアンやPWで転がしアプローチ
- ボールの赤道をクリーンにヒット
- 低く出して転がすイメージ
- スイングはコンパクトに
沈んでいるライ(深いラフ)
ボールが芝に沈んでいる場合、芝の抵抗を考慮した打ち方が必要です。
打ち方:
- サンドウェッジを使用
- フェースをやや開く
- 急角度にクラブを下ろす
- ボールの下にヘッドを入れる
- フォローは短くてもOK
深いラフからは、芝がクラブヘッドに絡むため、距離のコントロールが難しくなります。無理に距離を出そうとせず、確実にグリーンに乗せることを優先しましょう。
バンカーからのライ別打ち方

バンカーショットは、砂の状態とボールのライによって打ち方が大きく変わります。
ふわっとした砂の上のライ
バンカー内でボールが砂の上に浮いている状態は、最も打ちやすいライです。
打ち方:
- ボールの2インチ(約5cm)後ろを打つ
- フェースを開いてオープンスタンス
- 砂を薄く取るイメージ
- フォローを大きく取る
砂に埋まっているライ(目玉)
ボールが砂に埋まっている「目玉」のライは、最も難しい状況の一つです。
打ち方:
- フェースをスクウェア(閉じ気味)にする
- ボールのすぐ後ろを強く打つ
- 砂を多めに取る
- ボールは低く出て転がる想定
硬い砂・濡れた砂のライ
砂が硬く締まっている場合や、雨で濡れている場合は、通常のエクスプロージョンショットが使えません。
打ち方:
- フェースをあまり開かない
- ボールの直接ヒットに近い打ち方
- チップショットのイメージ
- ダフリに注意
バンカーでの砂の硬さや湿り気を足で確認することは、アドレス時に許されている重要な情報収集です。
クラブ選択のポイント
ライによって適切なクラブを選ぶことも重要です。
| ライの状況 | おすすめクラブ | 理由 |
|---|---|---|
| 花道(フェアウェイ) | 9I、PW | 転がしやすい、距離感が出しやすい |
| セミラフ(浮き) | PW、AW | 適度なロフトでコントロール良好 |
| 深いラフ(沈み) | SW(56°-58°) | 高く上げて芝の抵抗に負けない |
| バンカー(通常) | SW(56°) | バウンスを使いやすい |
| バンカー(硬い砂) | AW、PW | バウンスが跳ねにくい |
| 左足下がり | SW、AW | ロフトで高さを補う |
| 左足上がり | PW、9I | 低いロフトで距離を抑える |
転がしアプローチには9番アイアンやPWがおすすめで、スイングの振り幅とボールのキャリーやランのイメージが出しやすいというメリットがあります。
練習方法と実戦での応用
グリーン周りのライ別打ち方を身につけるには、練習場での反復練習と、実際のラウンドでの経験が必要です。
効果的な練習方法
- 平らなライから始める:まず基本のアプローチをマスター
- 傾斜マットを使う:練習場の傾斜台を活用
- 様々な番手で打つ:9I、PW、AW、SWでの違いを体感
- 距離感を磨く:同じライから様々な距離を打ち分ける
コースでの実戦ポイント
- ライの確認を怠らない(ボールの周囲360度を見る)
- 無理をしない選択(安全なルートを選ぶ)
- 傾斜の度合いを読む
- グリーンの硬さや速さを考慮
- 風の影響も計算に入れる
コースマネジメント戦略の観点からも、ライに応じた適切なクラブ選択と打ち方は、スコアメイクの重要な要素です。
まとめ
グリーン周りのライ別打ち方をマスターすることで、スコアは確実に向上します。タップ式とストローク式の使い分け、傾斜への対応、ラフやバンカーからの適切な打ち方を身につけることで、どんな状況でも自信を持ってアプローチできるようになります。
重要なのは、それぞれのライの特徴を理解し、適切なクラブと打ち方を選択することです。練習場での反復練習と、コースでの実戦経験を積み重ねることで、グリーン周りでのミスは確実に減り、スコアアップにつながります。
効果的なゴルフ練習法を参考に、計画的にグリーン周りの技術を磨いていきましょう。そして、ゴルフメンタル強化法で心を整え、プレッシャーのかかる場面でも確実にアプローチを成功させる力を身につけてください。






