後半9ホールでスタミナを維持する
ゴルフのラウンドでは、前半は好調だったのに後半になるとスコアが崩れてしまうという経験をした方は多いのではないでしょうか。実は、後半9ホールでのパフォーマンス低下は、多くのゴルファーが直面する共通の課題です。研究によると、18ホールのラウンドは4-6時間、8-12kmの歩行、70-100回のフルスイングを必要とする、想像以上に体力を消耗するスポーツです。本記事では、後半9ホールでもスタミナを維持し、安定したプレーを続けるための具体的な方法をご紹介します。
後半にスタミナが落ちる原因

後半9ホールでパフォーマンスが低下する原因を理解することが、対策の第一歩です。
体力消耗のメカニズム
ゴルフラウンドでは、思っている以上に体力を消耗します。18ホールをプレーすることで、8-12kmもの距離を歩き、70-100回ものフルスイングを行います。さらに、カートを使用しない場合は、クラブの重量を背負って長距離を移動することになります。
この継続的な運動により、筋肉のグリコーゲン(エネルギー源)が徐々に減少していきます。特に、太もも、背中、肩周りの筋肉が疲労すると、スイングの安定性が失われ、ゴルフスイング完全マスター:美しいスイングの作り方で学んだフォームを維持することが難しくなります。
栄養不足と脱水
意外かもしれませんが、後半のパフォーマンス低下の主な原因は体力切れではなく、実は栄養不足です。ラウンド中にエネルギーを適切に補給しないと、血糖値が低下し、集中力や判断力が鈍ってしまいます。
また、特に夏場のラウンドでは、大量の発汗により脱水状態になりやすく、喉の渇きを感じた時には既に遅いのです。脱水は、疲労感を増幅させるだけでなく、頭痛や筋肉のけいれんを引き起こす可能性もあります。
詳しい対策については、ゴルフフィットネス:体を鍛えてスイング向上で体力面の強化方法を確認できます。
メンタル面の疲労
後半のスコア崩れには、メンタル面の要因も大きく関係しています。上級者は後半でスコアを伸ばす傾向がありますが、平均的なゴルファーは前半が好調だった時ほど、後半で崩れやすいという統計があります。
これは、前半の良いスコアに気を取られ、過度な期待や緊張が生じるためです。また、ミスショットが続くと感情のコントロールが難しくなり、さらなるミスを招く悪循環に陥ってしまいます。
ゴルフメンタル強化法:心を整えてベストプレーでは、このような精神的な課題への対処法を詳しく解説しています。
効果的な栄養補給戦略

後半もスタミナを維持するためには、ラウンド前、ラウンド中の栄養補給が非常に重要です。
ラウンド前の食事
ラウンド前の朝食は、その日のパフォーマンスを左右する重要な要素です。理想的な朝食は、2種類以上の炭水化物を組み合わせることです。例えば:
- パンと果物
- ごはんと芋類
- オートミールとバナナ
このように複数の炭水化物源を摂取することで、消化吸収のスピードが異なるため、長時間にわたってエネルギーが体内に供給されます。
また、ラウンド開始の1時間前には、バナナやカステラ、オレンジジュースなど消化の良い炭水化物を追加で摂取すると、さらにエネルギーを蓄えることができます。
ラウンド中の補給タイミング
ラウンド中の栄養補給は、空腹を感じる前に行うことが重要です。おすすめの補給タイミングと食品は以下の通りです:
| タイミング | おすすめ食品 | 効果 |
|---|---|---|
| 3-4ホール目 | バナナ、エネルギーゼリー | 血糖値の維持、集中力向上 |
| ハーフタイム | おにぎり、カステラ | グリコーゲン補充、持続的エネルギー |
| 13-14ホール目 | ナッツ類、プロテインバー | タンパク質補給、筋肉疲労軽減 |
特に、inゼリーエネルギーのような消化吸収のスピードが考えられた製品は、素早くエネルギーに変わるため、ラウンド中の栄養補給に最適です。
避けるべき食事
ハーフタイムの昼食では、以下のような食事は避けましょう:
- 大量のご飯や麺類:消化に時間がかかり、眠気や体の重さを引き起こします
- 脂っこい揚げ物:消化器官に負担をかけ、動きが鈍くなります
- アルコール:体内の水分を逃しやすくし、判断力を低下させます
特に、炎天下でのビールは、発汗とビールの利尿作用により脱水が進み、後半のパフォーマンスに大きく影響します。
効果的なゴルフ練習法:上達を加速させる方法でも、練習時の栄養管理の重要性について触れています。
水分補給の最適化

適切な水分補給は、スタミナ維持に欠かせません。
水分補給の基本原則
水分補給で最も重要なことは、喉の渇きを感じる前にこまめに飲むことです。前述の通り、喉の渇きを感じた時には既に脱水状態に入っています。
理想的な水分補給の頻度は、各ホール(約10-15分)ごとにコップ半分程度(約100-150ml)を飲むことです。一度に大量に飲むよりも、少量をこまめに摂取する方が、体への吸収が良く、胃への負担も少なくなります。
最適な飲み物の選び方
ラウンド中の飲み物は、気温や発汗量に応じて使い分けることが重要です:
スポーツドリンク 汗で失われた塩分やミネラル、運動時のエネルギーとなるブドウ糖を効率よく補給できます。特に気温が高い日や、大量に汗をかく夏場のラウンドでは必須です。
麦茶 糖質がほとんど含まれておらず、ミネラルを含むため、スポーツドリンクと交互に飲むことで、過剰な糖分摂取を防げます。
経口補水液 より深刻な脱水状態に備えて、1本持参しておくと安心です。水分が素早く吸収されるため、脱水症状を感じた時に効果的です。
水 基本的な水分補給として、常温の水も必要です。冷たすぎる飲み物は胃腸に負担をかけるため、真夏でも常温に近い温度の水を用意しましょう。
水分補給の注意点
以下の飲み物は、ラウンド中の水分補給には適していません:
- カフェイン飲料(コーヒー、緑茶など):利尿作用があり、脱水を促進
- 炭酸飲料:満腹感を与え、必要な水分量を摂取できない
- アルコール飲料:前述の通り、脱水を引き起こす
メンタル管理とスタミナの関係

身体的なスタミナだけでなく、メンタル面の管理も後半のパフォーマンスに大きく影響します。
感情のリセット技術
スポーツメンタルトレーニング指導士の桐林宏光氏によると、メンタル面で重要なのは5秒以内に感情をリセットすることです。ミスショット後に「ネクスト!」と声に出し(心の中でも可)、次のショットのことだけを考えるようにします。
この技術を身につけることで、ミスの連鎖を防ぎ、後半でもフレッシュなメンタル状態を保つことができます。詳細はゴルフメンタル強化法:心を整えてベストプレーをご覧ください。
決断疲労の軽減
研究によると、人間が一日に下せる良い判断の数には限界があります。ゴルフラウンドでは、各ショットで複数の判断を繰り返すため、後半になると「決断疲労」が蓄積します。
この決断疲労を軽減するためには:
- プリショットルーティンを確立する:毎回同じ手順でショットに入ることで、余計な思考を排除
- シンプルな[コースマネジメント戦略](/course-management-strategy-scoring)を採用する:複雑な戦略ではなく、シンプルで再現性の高いプレーを心がける
- 前半のスコアを意識しすぎない:前半終了時にスコアを足し算しすぎると、後半のプレッシャーになる
集中力の配分
18ホール全体で100%の集中力を維持することは不可能です。重要なのは、必要な時に集中力を発揮できるよう、適度にリラックスすることです。
特に、ティーショット前やグリーン上以外の移動時間は、意識的にリラックスし、仲間との会話を楽しむなどして精神的エネルギーを温存しましょう。
身体的疲労への対策

栄養と水分補給以外にも、身体的な疲労を軽減する方法があります。
ラウンド前のウォーミングアップ
ラウンド前の適切なウォーミングアップは、筋肉を温め、怪我を防ぐだけでなく、後半の疲労軽減にも効果があります。
推奨されるウォーミングアップ:
- 動的ストレッチ(5-10分):腕回し、腰回し、スクワットなど、関節の可動域を広げる運動
- 軽いスイング練習(10-15分):ウェッジから始めて徐々にドライバーへ
- パッティング練習(5-10分):距離感を掴み、グリーンの速さを確認
詳しくは効果的なゴルフ練習法:上達を加速させる方法で確認できます。
ラウンド中のストレッチ
ラウンド中にも、簡単なストレッチを取り入れることで疲労を軽減できます:
- 待ち時間の肩回し:肩甲骨を大きく動かして血流を促進
- 腰のツイスト:腰回りの筋肉をリラックスさせる
- ハムストリングのストレッチ:脚の後ろ側を伸ばして柔軟性を保つ
これらのストレッチは、各自のプレーの順番を待っている間に、他のプレーヤーの邪魔にならないように行いましょう。
カートの賢い使い方
カートを使用できる場合は、体力温存のために賢く活用しましょう。ただし、完全にカートに頼ると、逆に体が冷えて筋肉が硬くなる可能性があります。
おすすめの方法は、前半9ホールは歩き、後半はカートを使用する、または平坦なホールは歩き、アップダウンの激しいホールはカートを使うなど、状況に応じて使い分けることです。
歩くことで血流が促進され、筋肉の柔軟性が保たれるため、適度な歩行は疲労軽減につながります。
疲労のサインと対処法
後半のパフォーマンス低下を防ぐには、疲労のサインを早期に察知することが重要です。
身体的な疲労のサイン
以下のような症状が現れたら、疲労が蓄積している証拠です:
- スイングスピードの低下:いつもより飛距離が出ない
- クラブフェースコントロールの乱れ:ミスヒットが増える
- 姿勢の崩れ:前傾姿勢が保てなくなる
- 背中や前腕の張り:特定の筋肉に緊張や痛みを感じる
- 脚の重さ:歩行が辛く感じる
これらの症状が現れたら、次のホールまでの間に水分と栄養を補給し、軽いストレッチを行いましょう。
メンタル面の疲労のサイン
精神的疲労のサインには以下のようなものがあります:
- 判断に時間がかかる:クラブ選択やライン読みに迷いが生じる
- イライラしやすくなる:些細なミスに過剰に反応する
- 集中力の欠如:ルーティンを忘れる、アドレスで雑念が浮かぶ
このような場合は、ゴルフメンタル強化法で紹介されている呼吸法や、前述の「ネクスト!」技術を使って、意識的にリフレッシュしましょう。
緊急時の対処法
もし後半で明らかに体調不良を感じた場合は、無理をせずに以下の対処を:
- 日陰で休憩:直射日光を避け、体を冷やす
- 経口補水液を摂取:脱水症状への迅速な対応
- ペースを落とす:スコアよりも健康を優先し、ゆっくりプレー
- 必要に応じて医療スタッフに相談:クラブハウスのスタッフに体調不良を伝える
健康を損なってまでプレーを続ける必要はありません。体調管理もゴルフの重要なスキルです。
長期的なスタミナ向上策
後半のスタミナを根本的に向上させるには、日頃からの準備が必要です。
有酸素運動の取り入れ
ゴルフのための体力作りには、有酸素運動が効果的です。以下の運動を週3-4回、各30分程度行うことで、心肺機能が向上し、後半でも疲れにくい体を作れます:
- ウォーキング:最も手軽で、ゴルフの動作に近い
- ジョギング:より高い心肺機能の向上が期待できる
- サイクリング:膝への負担が少なく、長時間の運動が可能
- 水泳:全身の筋肉をバランスよく鍛えられる
ゴルフフィットネス:体を鍛えてスイング向上では、ゴルフに特化したトレーニング方法を詳しく紹介しています。
筋力トレーニング
適切な筋力トレーニングは、後半でもスイングの質を維持するために重要です。特に以下の部位を鍛えましょう:
- 体幹(コア):スイングの安定性を保つ
- 下半身(太もも、お尻):長時間の歩行に耐える
- 背筋:スイング動作と姿勢維持に必要
- 前腕:グリップ力の維持
筋力トレーニングは、週2-3回、各30-45分程度が理想です。ゴルフの翌日は休養日とし、筋肉の回復を優先しましょう。
栄養バランスの改善
日常的な食生活の改善も、ゴルフのスタミナ向上に寄与します:
- タンパク質の十分な摂取:筋肉の修復と成長に必要(1日あたり体重1kgにつき1.2-1.6g)
- 複合炭水化物:玄米、全粒粉パン、オートミールなど、ゆっくり消化される炭水化物
- 抗酸化物質:果物や野菜に含まれるビタミンC、Eなど、疲労回復を促進
- 十分な水分:日常的に1日2リットル以上の水分摂取
睡眠の質の向上
十分な睡眠は、疲労回復と翌日のパフォーマンスに直結します。ラウンド前日は特に、7-8時間の質の高い睡眠を確保しましょう。
睡眠の質を高めるポイント:
- 就寝前2時間はスマホやPCを避ける:ブルーライトが睡眠を妨げる
- 室温を適切に保つ:18-22度が理想的
- カフェインは午後2時以降避ける:睡眠への影響を防ぐ
- 規則正しい就寝・起床時間:体内時計を整える
まとめ:後半も強いゴルファーになるために
後半9ホールでスタミナを維持し、安定したプレーを続けるためには、栄養、水分補給、メンタル管理、身体的準備の4つの要素をバランスよく整えることが重要です。
即座に実践できるポイント:
- ラウンド前の朝食で2種類以上の炭水化物を摂取
- 喉の渇きを感じる前に、各ホールごとに少量の水分補給
- 3-4ホール目、ハーフタイム、13-14ホール目で栄養を補給
- ミスショット後は5秒以内に「ネクスト!」と感情をリセット
- プリショットルーティンを確立し、決断疲労を軽減
長期的な取り組み:
- 週3-4回の有酸素運動で心肺機能を向上
- 週2-3回の筋力トレーニングで筋持久力を強化
- 日常的な栄養バランスの改善と十分な水分摂取
- 質の高い睡眠で疲労回復を促進
これらの対策を実践することで、後半9ホールでもフレッシュな状態を維持し、ベストスコアを更新できる可能性が高まります。後半に強いゴルファーは、コースマネジメント戦略やスコアメイク術も駆使して、総合的にスコアを伸ばしています。
今日からできることから始めて、後半も安定したプレーができるゴルファーを目指しましょう。






