フェードボールの打ち方とコツ
ゴルフのショットには様々な弾道がありますが、その中でもフェードボールは多くのプロゴルファーが好んで使用する、コントロール性の高いショットです。フェードボールは左方向に打ち出されてから軽く右に曲がる弾道で、バックスピンがかかりボールが止まりやすいという特徴があります。本記事では、フェードボールの打ち方から練習方法まで、詳しく解説していきます。
フェードボールとは?基本的な特徴

フェードボールは、ボールが直進あるいは左方向に打ち出されてから、その後軽く右に曲がって目標方向付近に戻ってくる弾道を指します。スライスと混同されることがありますが、フェードは意図的にコントロールされた曲がりであり、スライスのような大きな曲がりとは異なります。
研究によると、フェードショットは最も高い垂直打ち出し角度と最大高度を示すことが明らかになっています。この特性により、グリーンに対して高い角度で着地するため、ボールが止まりやすいという大きなメリットがあります。
フェードボールの主な特徴は以下の通りです:
- 打球にバックスピンがかかり、上がりやすい
- ランが出にくく、グリーンで止まりやすい
- ドローボールよりも真っ直ぐ飛ぶ傾向があり、コントロール性が高い
- ミスショットになりにくく、安定性がある
ゴルフスイング完全マスター:美しいスイングの作り方でも解説していますが、スイング軌道とフェース角度の関係を理解することが、フェードボールを習得する第一歩となります。
フェードボールの基本的な打ち方
フェードボールを打つための基本的なセットアップとスイング方法を解説します。
スタンスとアドレス
フェードボールを打つには、まずオープンスタンスを取ることが重要です。ターゲット方向に対して、体を少し左に向けることで、アウトサイドイン軌道でスイングしやすくなります。
具体的なセットアップ方法:
- ターゲットラインよりも5~10度左を向いてスタンスを取る
- クラブフェースはターゲット方向よりも少し左側の打ち出し方向に向ける
- ボールの位置を通常よりも少し後ろ(右寄り)に置く
- 体重配分は左右均等、またはやや左足寄り
グリップの調整
右手グリップを弱めることでクラブフェースが開きやすくなり、フェードボールが打ちやすくなります。ウィークグリップとも呼ばれるこの握り方は、インパクト時にフェースが自然と開いた状態になることを促します。
グリップの調整方法:
- 右手の位置を左手よりもやや上(クラブのグリップエンド寄り)にする
- 右手の親指と人差し指で作るVの字が、顎よりも左肩を指すようにする
- 左手のグリップも通常より弱めに握る
スイング軌道とインパクト
フェードボールを打つためのスイング軌道は、アウトサイドイン軌道が基本となります。これは、ダウンスイングでクラブヘッドがボールに対して外側から入り、インパクト後に内側に抜けていく軌道です。
インパクトからフォローにかけてフェースを返さずショットすることが重要です。フェースを返してしまうと、フェードではなくストレートやドローボールになってしまいます。
パワーフェードの打ち方

パワーフェードは、フェードの右に曲がる特性を持ちながらも飛距離を犠牲にすることなく、ドローボールと同様の飛距離を確保できるショットです。パワーフェードはタイミングとリストアクションが少なく、より一貫性のある動きを実現できるため、多くのプロゴルファーが採用しています。
パワーフェードの特徴
パワーフェードは通常のフェードとは異なり、スピン量を抑える打ち方で打つため、強い弾道で伸びていくのが特徴です。以下のような違いがあります:
| 項目 | 通常のフェード | パワーフェード |
|---|---|---|
| 飛距離 | やや短い | ドロー並み |
| スピン量 | 多い | 少なめ |
| 弾道 | 高め | 中弾道 |
| 曲がり幅 | 小さめ | 小さめ |
| 安定性 | 高い | 非常に高い |
パワーフェードの具体的な打ち方
パワーフェードを打つには、体の回転を積極的に使うことが重要です。腕とクラブを一体化させた状態で、体を回転させながらボールをとらえます。
- トップからインパクトにかけて右腕を先行させる
- 右腕を先に出しながら体を回転させる
- インパクトではフェースを閉じすぎない
- フォロースルーで左腕が伸びる感覚を意識する
ドライバー完全攻略:飛距離アップとコントロールで詳しく解説していますが、ドライバーでパワーフェードを打つには、クラブのロフト角とシャフトの選択も重要な要素となります。
フェードボールとドローボールの違い
フェードボールとドローボールは、弾道が逆方向に曲がるという点で対照的なショットです。それぞれの特性を理解することで、状況に応じて使い分けることができます。
弾道の違い
- フェード:左に打ち出して右に曲がる(右打ちの場合)
- ドロー:右に打ち出して左に曲がる(右打ちの場合)
飛距離の違い
研究データによると、キャリー距離はドローショットで最も長く、飛行時間もドローショットで最も長いことが示されています。しかし、パワーフェードを習得することで、この飛距離差を埋めることができます。
使い分けの基準
状況別の使い分け:
- フェードが有利な状況
- グリーンが固い時 - ピンポジションが手前の時 - 右ドッグレッグのホール - 風が左から吹いている時
- ドローが有利な状況
- 飛距離を稼ぎたい時 - 左ドッグレッグのホール - 風が右から吹いている時 - ランを出したい時
ショット別テクニック集:あらゆる状況に対応するでは、様々な状況下でのショット選択について詳しく解説しています。
フェードボールの練習方法

フェードボールを確実に習得するための効果的な練習方法を紹介します。
練習場での基本練習
練習場では右端の打席で練習することが推奨されています。スライスし過ぎた球がネットに当たることで、自然と適切なフェードの弾道と曲がり具合を練習できます。
練習の手順:
- 短いクラブ(9番アイアンやPW)から始める
- 小さいスイングでフェードの感覚を掴む
- 徐々にクラブを長く、スイングを大きくしていく
- ドライバーでも同じ感覚で打てるようになる
アライメント練習
アライメントスティックやクラブを使って、正確なスタンス方向を確認しながら練習します:
- ターゲット方向に1本のスティックを置く
- 自分のスタンス方向(左向き)に平行にもう1本置く
- フェース向きを確認するためのスティックも設置
- この3本のスティックを基準に繰り返し練習
ドリル練習
フェース開き練習ドリル:
- グリップを握る前にフェースを開く
- その状態のまま通常通りグリップする
- 開いたフェースの感覚を体に覚えさせる
体の回転ドリル:
- 腕の動きを最小限にして、体の回転だけでボールを打つ
- クラブと腕を一体化させた感覚を養う
- 手首を使わないことを意識する
効果的なゴルフ練習法:上達を加速させる方法では、フェードボール以外にも様々な練習方法を紹介しています。
よくある間違いと修正方法
フェードボールを練習する際によくある間違いと、その修正方法を解説します。
グリップしてからフェースを開く
間違い:グリップを握ってからフェースを開くと、インパクトでフェースが閉じてしまう
修正方法:フェースを開いてからグリップを握る順序を必ず守る
フェースを開きすぎる
間違い:フェースを開きすぎると、大きなスライスになってしまう
修正方法:最初は5度程度の小さな開きから始め、徐々に調整する
手首でコントロールしようとする
間違い:手首を使ってフェードを打とうとすると、方向性が安定しない
修正方法:体の回転を主体とし、手首の動きは最小限に抑える
スタンスだけオープンにする
間違い:スタンスだけオープンにして、スイング軌道が変わっていない
修正方法:スタンス方向に沿ってスイングする感覚を養う
フェードボールを活かすコースマネジメント

フェードボールを習得したら、実際のラウンドで効果的に活用することが重要です。
ティーショットでの活用
右ドッグレッグのホールでは、フェードボールが非常に有効です。フェアウェイの左サイドを狙って打ち出し、自然な曲がりでフェアウェイ中央に戻ってくる弾道を描けば、最短距離でボールを運べます。
アプローチショットでの活用
グリーンが固い時や、ピンポジションが手前の時は、フェードボールの止まりやすい特性が活きます。高い弾道と適度なバックスピンで、ピンに対して攻めていくことができます。
コースマネジメント戦略:頭を使ってスコアアップでは、状況に応じた戦略的なショット選択について詳しく解説しています。
風への対応
左からの風が吹いている時は、フェードボールが風に押されて大きく曲がるリスクがあります。この場合は、通常よりも曲がり幅を小さくするか、ドローボールを選択するなど、柔軟な対応が必要です。
上級者向けフェードテクニック
フェードボールの基本を習得したら、さらに高度なテクニックに挑戦しましょう。
カット打ちフェード
より大きな曲がりが必要な場合は、カット打ちと呼ばれる技術を使います。スタンスをさらにオープンにし、フェースも大きく開いて打つことで、急激に右に曲がる弾道を生み出せます。
ロースピンフェード
スピン量を抑えたフェードは、風の強い日に有効です。インパクトでボールの赤道よりやや上を打つイメージで、低スピンの強い弾道を実現します。
アイアン別フェード調整
クラブによってフェードの打ち方を微調整することも重要です:
| クラブ | 調整ポイント |
|---|---|
| ロングアイアン | スタンスの開きを小さめに |
| ミドルアイアン | 基本のセットアップで |
| ショートアイアン | ボール位置を右寄りに |
| ウェッジ | フェースの開きを大きめに |
アイアンショット完全ガイド:正確性と飛距離の両立では、各番手のアイアンでの打ち分け方を詳しく解説しています。
メンタル面でのフェード習得
技術的な練習だけでなく、メンタル面でのアプローチも重要です。
イメージトレーニング
フェードボールを打つ前に、弾道をしっかりとイメージします。ボールがどのように飛び出し、どの地点で最も曲がり、どこに着地するかを明確に思い描くことで、実際のショットの精度が向上します。
プレッシャー下での実践
大学のアスリート研究では平均ハンディキャップ1.3の選手がフェード・ドロー・ストレートショットを意図的に打つことができることが示されています。これは、高いスキルレベルでも状況に応じてショットを使い分けられることを意味します。
プレッシャーのかかる状況でも安定してフェードを打てるようになるには:
- 練習ラウンドで積極的にフェードを使う
- スコアを気にせず技術習得に集中する期間を設ける
- 成功体験を積み重ねて自信をつける
ゴルフメンタル強化法:心を整えてベストプレーでは、プレッシャー下でのパフォーマンス向上方法を詳しく解説しています。
まとめ
フェードボールは、コントロール性と安定性に優れた、習得する価値の高いショットです。基本的な打ち方から始めて、段階的にパワーフェードや状況に応じた使い分けまで習得していきましょう。
フェードボール習得のポイント:
- オープンスタンスとアウトサイドイン軌道を基本とする
- 右手グリップを弱めてフェースが開きやすくする
- インパクトからフォローでフェースを返さない
- 体の回転を主体とし、手首の動きは最小限に
- 練習場での反復練習で感覚を体に覚えさせる
- コースでは状況に応じてフェードとドローを使い分ける
ゴルフ初心者完全ガイド:基礎から学ぶゴルフ入門から始めて、段階的にフェードボールのような高度なテクニックを習得していくことで、ゴルフの楽しさはさらに広がります。継続的な練習と実践で、確実にスキルアップを目指しましょう。






